絵本のあひる 「かものむすめ」
  
「かものむすめ」
1994年10/1-福音館書店・こどものとも

ウクライナ民話。子供のいない年老いた夫婦が傷ついた鴨を助けます。夫婦が留守の間、鴨は美しい娘となって家事を手伝いますが、その姿を見られ巣を燃やされてしまい、鴨の娘は仲間と共に旅立ってしまいます。

日本の昔話の鶴のお恩返しのような民話です。鶴も渡り鳥ですね。
ウクライナはロシアの南西、黒海に面しヨーロッパ文化の影響を色濃く受けています。画家はウクライナ出身、小さな描写も臨場感に溢れていてページをめくる度にその土地の音楽が聴こえてくるようです。

大河と湖の多い土地でたくさんの渡り鳥の飛来地です。日本もそうですが、きっと昔から傷ついた渡り鳥を介抱し、時季には寂しい別れを経験したでしょう。似た様な民話が世界中に存在します。

挿絵の絵を頼りに、鴨の種類を調べようとしましたが結局解りませんでした。飛来する水鳥の種類が多くて特定できませんでした。
それで、画家がどの鴨ともとれるように描写したと解りました。オスメスの描きわけはせず、成鳥幼鳥ともとれず春と秋の羽の差(繁殖羽・換羽)も解らない、架空の鴨が描かれていました。

さらに私が惹かれたのは、素朴な村の情景と東欧カントリーインテリア!(笑)
おじいさんとおばあさんのファッションもツボにハマりました。赤い刺繍が施されたチュニックなんて今着ても可愛いでしょうね。

娘の作った「ワレーニキ」というお料理もロシア風のギョーザとわかりました。ウクライナ風はサクランボの砂糖煮が入ったスイーツです。サワークリームをつけて頂くそうです。寒い国ではしばしば甘い物が食事となるようです。お酒もね。
北海道育ちの私も、子供の頃は、お赤飯には甘納豆が入っているもんだと思ってました。



 
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