絵本のあひる 「The Little Wood Duck」
  
「The Little Wood Duck」
1972年-London Oxford University
Printed in Holland

水彩、アクリル、ガッシュ、クレパス…多種の画材を使って描かれた、色の洪水のような絵に魅かれて購入しました。
Wood Duckてオシドリだと思いますが、マガモと違い、樹上で卵を孵します。水辺に引越しする時に、ひよこが次々と地上へダイブする様子はテレビのドキュメント番組で見ててハラハラしました。この絵本では描かれていないのが残念です。

お話は、カモのお母さんが古い木の洞にキレイな卵をたくさん産んだトコから始ります。やがて、片足が不自由に生まれてしまった1羽のひよこが森の動物達に励まされながら暮らすストーリー。
擬人化されていないところは好みなのですが、多種と仲良く暮らすという自然界ではありえない事もあまり好きではありません。でも、子供向けの絵本にそんな文句を言ってもしょうがありません。

上手に泳げなくて落ち込むひよこに、また森中の動物達が励ましに来てくれる所など、これでいいのか悪いのか…と天邪鬼に思ってしまいます。しかしそんなストーリーが無くっても余りある美しい絵です。この絵本は開いて飾っておきたくなるくらいです。

クライマックスでカモの親子はキツネに襲われます。逃げ遅れたひよこは、片足が不自由なために同じところをグルグルとしか泳げません。キツネは逃げ遅れたひよこを狙って目を回してしまいます。

普通の読者にはコチラの方が子供だましと捉えると思いますが、私はココがツボにはまってしまいました。
ウチで飼っていたあひるのぶなちゃんは片足が不自由で歩けませんでした。でも泳ぐのが大好きで、庭のプールに入れてやると、いつまでも同じところをグルグル回っているのです。ぼ〜っと見ているとホントに目が回るんです。



 
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